交通事故治療
交通事故の被害者となってしまった場合には、当然ですが民法上の不法行為として加害者である相手に対して損害賠償を請求することができます。
民事訴訟により解決するケースもないわけではありませんが、一般には相手のほうでも自賠責保険および任意の自動車保険に加入しているはずですので、損害保険会社を通じた示談というかたちになり、必要な損害賠償金も自動車保険の保険金のなかから支払われることになります。
この場合の示談金の金額は交通事故による怪我の程度によっても左右されます。
自賠責保険の場合
自賠責保険の場合は国があらかじめ定めた基準の範囲内で支払われ、病院での治療費、入院や通院のためにかかった費用、診断書などの文書料といった直接的な費用のほかにも、入院などの日数に応じた慰謝料のトータルとなります。
任意の自動車保険の場合には、もともと自賠責保険では不足の金額を補填する意味合いがあることから、同じ怪我であっても支払われる基準は自賠責保険よりも高く設定されているのが普通です。
また怪我そのものは治療ができても、心身に何らかの障害が残ってしまうこともあります。
慰謝料について
たとえば失明や四肢の欠損などが典型的なものですが、この場合は医師がこれ以上の治療を続けても改善の見込みがないと判断した日を症状固定日として、それ以降は治療費見合いの金額を支払わない代わりに、より多額の後遺障害の慰謝料をもって対応するのが一般的です。
問題はむちうちのように外見からは症状の確認がしにくいケースの慰謝料です。むちうちは交通事故の衝撃がもとで頚部を損傷するなどして、めまいや痛み、吐き気などの自覚症状が生じた状態のことをいいます。
むちうちは当人にとってはつらい症状があるにもかかわらず、レントゲン検査などで症状を証明することが難しいため、後遺障害の認定が得られない場合があります。このような場合は弁護士をはじめとする専門家の力を借りて処理することが適当です。